A-2、G-1、そしてMA-1
陸海空のそれぞれを象徴するフライトジャケットはあまりに有名で、オマージュされたプロダクトも数々輩出されていますが、実は陸海空全ての軍隊で公認され採用されているフライトジャケットが今回ご紹介するCWU45Pです。
基本的にはMA-1の後継モデルとされているCWU45Pは、その完成度を賞されたMA-1を凌ぐ完璧なスペックを持つフライトジャケットで、別名MA-2とも呼ばれています。
ライトゾーン(10℃〜30℃)に適応する「CWU36P」とインターミディエイトゾーン(-10℃〜10℃)に適応する「CWU45P」は、簡単に言えば”適応できる気温の差”となり、多少のさはあれどルックスはほぼ同じです。
MA-1との大きな違いは難燃性(その他耐放射線性、耐薬品性)で、アメリカ大手のデュポン社が開発した耐燃アラミド繊維であるノーメックスが採用されている点がCWUシリーズの大きな特徴でありますが、その機能以上にファッションとして特筆すべきはぬめりのある質感や形状記憶する独特の固さ、それでいながら柔らかくドレープする完全オリジナルの素材の面白さに尽きます。
丸みがある大きなフォルムが特徴のフライトジャケットはファッション目線で見たときの形も非常に良い点から、これまでもあらゆるシーンでコーディネートされてきましたが、それを資材としてBechicsが不定期でリリースしているI.D INDUSTRIAにて、このCWU45PとCWU36Pの2種類をコーチジャケットにリメイクいたしました。
フライトジャケットをスタイリングする上で必ず引っかかる着丈の短さを大胆なパッチワークデザインとともに解消し、ポケットの形状や腕のフォルムも変更、そして最も特徴となるフロントのドットボタンなど全てパターンを作り直して、尚且つ軽く羽織れるような一重の仕様に変更しています。
春のアウターとして活躍することはもちろん、シャツの代わりにもなり、インナーダウンなどを着れば真冬もフォロー可能な4シーズンアウターに仕上げています。
今夏、30年以上の時を経て最新作が公開される「トップガン」は、1980年代にフライトジャケットに市民権を与えたトム・クルーズの出世作としてあまりに有名ですが、今作でももれなくカッコいいCWU45Pの着こなしを披露していて、86年当時のようにもしかするとちょっとした注目アイテムになるかもしれないですネ。
奇抜さが先行しがちなリメイクモノを、Bechicsらしく落ち着きもあるシティーな顔にしてみましたので、みなさまにご興味頂ければ嬉しい限りです。
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