EDITION 2
- Toshiya Kakuchi
- 2020年1月21日
- 読了時間: 3分
2シーズン目を迎えたSEEALL。

僻地の技術や様々なカルチャーに影響を受けたデザイン、そして一度大きく還り揺さぶった後に見える新しくも独特なモダンの解釈。
美しい身体を演出する見事なプロポーションを実現したコートもあれば、中には意図して平面的に作られたアイテムもあり、一般的に求められる分かりやすい落ち着きを嫌いながら素材や手の本質的な美しさを表現した商品は、昨年のデビューシーズンにはある意味多くの方々を混乱させました。

『べき』ことがない時に陥ること、理解が追いつかない時に距離を置きたくなるのは人間誰しもが同じことですが、いざしっかりと付き合っていくとわかる無駄を入れないダイレクトな服の美しさは、じわりじわりとファッションのコアを知る方々からの信頼を集めていると感じています。
現在パリで開催されているAW20シーズンのファッションショウでは、「簡単で着やすい服」から脱したバイヤーをはじめとした業界人が多いとの記事も書かれていて、いよいよ店頭レベルでもデザインやカルチャーのようなセンスや深さを伴う服が求められていく気がしています。

改めて、SEEALLのブランドコンセプトを記載します。
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SEEALL
ものの価値のすべてを見る。
人やものの間にある見えない関係をも含んだすべて。
見えるものに働きかけて見えない関係を作り変えていくデザイン。
服が発展してきた背景にある芸術、音楽、映画、そして伝統と技術。
そのすべての相互関係を再認識するためのデザインと先にある本質的な服のリアリティーを追求する。
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EDITION 2
Inspirations//
STRANGER THAN PARADISE
BEATNIK
NEW ROMANTIC
DeStijl
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今回も生地からディレクションされた商品が並びますが、コットン、リネン、シルク、ポリエステルなど多種多様なものを組み合わせながら、今の時代ならではの最先端の特殊加工を施すことで得られる風合いが楽しく、40年代のミリタリーのような風合いをモダンに再現したり、リネンのイメージを覆す新しいタッチ、ポリエステル100%の素材には驚くような隠れた仕掛けが施されています。

それら素材が最適なアイテム、デザインへと融合した時に現れるSEEALL独自の雰囲気は、ミニマルでもありプログレッシブでもある、表面だけではない奥にあるものが見える服だと理解しています。
Visageのような姿と音の調和、デステイルの新旧融合、そして無表情喜劇のような奥ゆかしさは得も言えぬ独特の調子が存在し、理解できる人もそう多くはありませんが唯一無二の存在価値だと言えましょう。
ちょうど現在はお店でSALEも並行して行っていますが、今回SEEALLのいくつかの商品はSALEにしませんでした。
その理由は、残念ながら一般的にジャストシーズンを経過した商品は古いものという概念がありますが、入荷からどれだけ時間が経ったか?という議論はこのブランドを正しく理解して頂けそうなお客様には関係ないだろうと感じたということと、もう一つは昨年12月に早くもAW20の展示会を終えたSEEALLのコレクションを拝見し、新ためてファーストシーズンやSS20のコレクションのレベルの高さを感じ、シンプルに割り引く気にならないくらい良いものだと改めて理解したからでした。

色々と細かくお話したいことは他にもあるのですが、簡単に良さを語り尽くしてしまっては面白くありません。
是非、店頭で商品をご覧頂きながらその奥にある何かを覗いてみてください。




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