• 店主 角地 俊耶

Blue Eyed “Boy”


アフリカンルーツのソウルミュージックを原型に、ヴァン・モリソン、ボズ・スキャッグス、ポール・ウェラーなどの白人がアレンジを加えて歌ったBlue Eyed Soul。

黒人が生み出したソウルに影響を受けた白人が歌うブルーアイドソウルは、エモーショナルなリリックやメロディーラインの中にどこかシティーな雰囲気を帯びたポピュラーミュージックとして広く支持を集め、音楽ファン、そしてファッション関係者などから洒落たショップのBGMとしても70年代頃からよく使われています。

さて、Bechicsではいよいよ2019年春夏シーズンがスタートしましたが、今シーズンはまた新たなブランド様とのご縁があり、立ち上がりのタイミングでご紹介させて頂けることになりました。

”ANTHOLOGIE(アンソロジー)”というブランドは、実は私は10年以上前から面識のある小川 圭司さんという男性が2015年に立ち上げた東京のブランドで、渋谷にはそのアンソロジーの直営店として「ART」というコンセプトストアも展開されていらっしゃいます。

小川さんがデザインされるブランドにはいくつかのレーベルが存在し、

ANTHOLOGIE / シーズン毎にテーマを設定するコレクションライン

ANTHOLOGIE REPLICA / アンソロジーが考えるユニフォームライン

ART / 直営店で取り扱うオリジナルライン

などがあります。

今季、Bechicsではその中でも弊店と親和性の高い「ANTHOLOGIE REPLICA 」と「ART」の2種類をお取り扱いさせて頂く事になり、週末より販売を開始しました。

是非一度アンソロジーのコレクションルックもご覧頂きたいのですが、一言にアンソロジーに対しての私のイメージを表現するなら、90年代~00年代のモード感覚がベースとなったモダンな東京ブランドで、小川さんご本人もまさにセンスの塊です。

オフィシャルにも開示されていらっしゃるので、説明を明確にするために敢えて簡単な表現をしますが、小川さんは過去に15年間、株式会社コム デ ギャルソンでお勤めになられた経験を持ち、年齢も私より少し上ですがほぼ同世代の男性。

当然のように、70年代~80年代にかけての日本が世界に衝撃を与えた黒のモード史も背景にあり、その後の時代を象徴するアントワープシックスやマルタン・マルジェラ、バレンシアガ、アズディン・アライアなど多種多様なクリエイションを目の当たりにし、恐らくそのクリエイションを日本で最も力強く感じる事ができたであろうCOMME des GARCONS青山店や、10 Corso Como COMME des GARCONSといった店舗での在籍経験もお持ちでいらっしゃいます。

そして、アンソロジーはそのような偉人たちへの尊敬に加えて、トーキョーで生まれる新しいカルチャーを含み、次なる常識を創り出す、ゲームチェンジへの一手であろうと理解しています。

私は当時勤めていた会社で、コム デ ギャルソンを卸して頂く側の立場として展示会やその他の場所で小川さんとの接点を持っていたわけですが、20代半ばであった当時から小川さんの持っていた雰囲気は、会話中の物腰の柔らかさとは異なる、決して表に出さない強さと、ある種の狂気すら帯びた冷静さが印象的でした。

いつもクールでシャープな小川さんとはその後しばらくお会いする事がなく時間が流れましたが、こうしてお互いが独立した中で再会に恵まれたのは本当に嬉しく、そして小川さんが直接監修されたプロダクトを拝見し改めてその才能を確信できたのは、私にとってお取引を開始するに十分な理由が揃ったとも言えます。

今回お取り扱いするANTHOLOGIE REPLICAの3種のバッグは、U.S NAVYのレンジャーバッグというミリタリールーツのデザインをアップデイトさせた、ナイロンリュック大小とウエストバッグですが、実は先日アメリカに主張に行く際にこのカバンを持って行ったところ、デザインの良さも然ることながらあまりの使いやすさに大変感心しました。

大きさ、ディティール、重量感、全てにおいてよくよく考えられてあり、その上既視感のないフォルムも備わっています。

丸いデイパックと比べて角のある四角い形は、トラディショナルでポピュラーなリュックとの明確な差を感じさせ、ミリタリーがバックボーンにあるバッグとは思えない都会的なルックスです。

そして、もう一つのARTは本来、直営店限定のオリジナルラインとして卸しをしない方針でいらっしゃったのですが、縁あって特別に弊店でもお取り扱いさせて頂けることになったスペシャルなアイテムです。

スケートカルチャーも背景にある小川さんが日常的に着るTシャツとしても作られている、シンプルなロゴをデザインとしたTシャツですが、刺繍の位置やフォントから十分にARTのセンスを感じる事ができます。

タイトルにあるように、小川さんが実際に青い眼をしているかはさておき(しかし、本当に外人のようなルックスなのです)、強く凛々しいまるでブルーアイド・ソウルのようにモードの系譜を漂わせる小川さんとそのプロダクトたち。

久々に帰ってきた日本はまだ春物を楽しむには少し無理がある気候ですが、ちょうど欲しかったものを最適なタイミングでご用意する事ができました。

そして、機会があれば小川さんご本人にもお会いできるARTへも足を運んでみてください。


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