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  • 店主 角地 俊耶

Strong and Beautiful


「強く美しいもの」

度々このブログでも書いてきた言葉です。

お店の前に設置している看板にも記載しているこの言葉は、もともとは私が最も尊敬している、ある女性デザイナーが度々口にしているのを見るようになってから自然と私の思考の一部に組み込まれたような経緯があります。

強さにはデザイン・素材・色柄のような直接的なものもあれば、そのものが生まれた原因や歴史的背景のように深層的であること、或いは反対に意味を持たない(意味に反抗する)強さなど様々な種類がありますが、いずれも何らかの主張や意思があり、表現を変えれば「買い手に媚びないもの」「自立した思想」とも言えるような気がしています。

宮崎映画の代表作「魔女の宅急便」の舞台ともなった、ゴットランド島というスウェーデンの島に生息するゴットランドシープは、一般的な羊と違ったグレーの毛を持った稀少性の高い動物ですが、赤い屋根白い壁が大半のスウェーデン住宅や、スズランに次ぎスウェーデンを代表するバラの花などとの色彩の対比が非常にモダンで、存在自体が目を惹く生き物です。

Scyeで今シーズンにリリースされた、ゴットランドシープの原毛をそのまま使ったアイテムの中から、弊店ではプルオーバーのスウェットのようなニットのような雰囲気を持った商品を買い付けましたが、展示会では際立つ強さに惹かれて一発でヤラレました。

先日のブログに書いたCINOHのホースレザーも革の持つ強さに惹かれましたが、原料そのものに宿った力強さというのは加工云々で得られるものではなく、バイヤーとしてはとても気になるファクターで、良い糸や複雑な編み地など現在のトレンドに次ぐ切り口ではないかと感じています。

スウェーデンの景観同様に色が溢れる東京で、毅然としたまでに冷静なグレーの服が新鮮に見えるのは私だけではないはず。

強く、美しく。

強烈なものには人を惹きつける魅力も、人を遠ざけてしまうパワーも混在していますが、そのくらいはっきりとしたものが今は必要だと感じて買い付けた商品。

皆さまなら、きっと素敵に着こなして頂けると思っています。


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