• 店主 角地 俊耶

売れる服だけではつまらない


こういう仕事をしていると情報が何より大切だったりしますが、今は情報が多すぎて何を掴むか選ぶところから考えなければなりません。

例えば、少し古い内容ですがこういう情報(クリック)も全体感を掴む上で参考にしたり、Yahoo!のトップニュースも、パリ・コレクションの最新情報ももちろん確認します(重要視はしませんが)。

最近特に、本人からファッションの匂いがしない評論家体質の強い人がファッション業界全体のボトルネックをあーだこーだとネガティブに語ったりしていて、はっきり言って面白くもなんともない。

ある尊敬する人が言っていましたが、誰もファッションそのものについて語っていないのが一番の問題だと。

あくまで傾向的なお話になりますが、今のトレンドは

「早い」…ショーをした直後からそれらを買える、バイヤーと同じスピード感、とか。

「安い」…あのブランドのデザイナーが作った服がこんな値段で!とか。

「便利」…ワンクリックで買える、何でも返品できる、駅の中にお店がある、とか。

と、いうように、上記はあくまで一部ですが、まるで牛丼屋さんの広告かと思うようなことがファッション業界でも起きています。

少し辛口に書いていますが、私もそれはそれで良いとは思っています。

だって、利用している方々はそれが良いから使うんですから。

利用価値のないことが淘汰されていくのは健全であり、世の常でしょう。

さて、前置きが長くなってしまいましたが(いつも)、大切なのは私がそういう世の中を見渡していて思い、感じたことを踏まえて皆様に何をご紹介するか、です。

OLDPARKというブランドをお取り扱いさせて頂いてから2シーズン目になりますが、このブランドを改めて今皆様におススメしたいと考える理由を少し書きます。

OLDPARKは、古着や昔使われていた生地などを資材として、新しい形の洋服や雑貨に作り変えるリメイクブランドです。

このブランドの特徴を一言で説明するなら、もともとあった形を別の形に変えてしまうことや、AとBを合体させたりすることで起きるケミストリーを楽しむ、というような既定路線では発生し得ない驚きと意外性に尽きると思います。

そして、資材として使用しているものも力強さや品質の高さを備えたものであるが故、その相乗効果が何倍にもなったプロダクトには整った既製品とは違った”並じゃない(また牛丼?)”雰囲気があります。

基本的にOLDPARKの服作りは、最新や著名性とは縁遠い古物の再生(エコではなく、あくまでパンク)をスタンスにしていますので、前述のトレンドとは真逆です。

それに、最終的に形作られたものも「ビッグシルエット」だとか「ストリート」だとかそういうビッグキーワードが前面に押し出されたものではなく、どれもOLDPARKらしい無骨で整っていない格好良さがあるものばかり。

デザイナー様に見られると怒られそうですが、展示会で品物を見ていても、これは売る気があるのかな?wと思うような品物もちらほらあって、前衛的というか独創性を強く感じます。

先ほどのマーケティング理論のようなことに照らし合わせてみても、ある意味でニーズオリエンテッドではないスタンスこそがOLDPARKらしさであると感じた私は、こういうものが欲しかったとシンプルに腹落ちしたような気持ちでした。

非常にややこしいことをしているので、商品1点ずつに対して説明文を書き始めるときりがないのもありますが、OLDPARKは長く語る服べきではないように思うので控えます。

一つ一つがONLY ONEのプロダクトであることはもちろん、サイズ感も色も、全てがバラバラなので、デザイナーも、作り手も、売り手もみんな大変な思いをしていますが、それでもみんなそれが好きだからやめない。

今の主流なトレンドを汲んだ服でもなければ着やすい服でもなく、誰かが想像していた欲しい服でもない嬉しいアクシデント、それがOLDPARKの良さと理解しています。

こんな事を言うのは大変失礼ですが、敢えて書くなら私自身に「お客様に全てを理解されてたまるか」という気持ちがあって、OLDPARKを取り扱う背景にはそんな私のパンクなアプローチがあるのかもしれません。

今に退屈を感じている方におススメのブランドです。


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