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  • 店主 角地 俊耶

BASIC "but" (前編)


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Trad "but" Mode Ivy "but" Street Relax "but" High tension

Crazy "but" Chic Basic "but"

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今回のブログは「別注」がテーマ。

Bechicsオープン以来2度目となる別注商品を作って頂き23日(金)より発売いたします。

パートナーとなって頂いたnuterm様にお願いした別注品は、昨年より非常に好評を頂いているRelaxin' Shirtをベースにした、弊店らしいアメリカントラディショナルなクレイジーパターンです。

2018年に入り、様々なブランドが再びアメカジに注目している中でタイミング良くこの商品を作れたのは単なる偶然なのですが、この商品を作るに至った経緯を少しお話しさせて頂きます。

その前にまず、2018SSのnutermのインラインコレクションのご紹介から。

2018 Spring&Summer nuterm collection Theme

〜 COLLEGE TONE 〜

古き良きアメリカンカレッジへのオマージュや、自ら服飾学校生の時代に経験された、既製服を切ったり貼ったりして楽しんでいた頃の自由でピュアな創造性を、学生とは違うプロになった今改めてやってみると面白いんじゃないかという思いで作られたコレクションです。

店頭では既に新しい人気商品を窺わせる「Cut Collar Shirts」は、襟や袖をハサミで断ち切ったような切りっぱなしたデザインですが、もちろん付いていた襟を断ち切ったわけではなく、台襟と上襟の設計を「断ち切り風」になるように作り、上襟部分が切られた状態でも変な残り方にならずスッキリとした見た目にされています。

(ここで、表裏の上襟以外に芯材まで入れているのがnutermのちゃんとしたところ)

パッと見の印象は、バンドカラーやオープンカラーシャツの雰囲気に近いですが、ジャケットインなどをするとまた違ったバランスが楽しめるようになっています。

同じく、脇部分がストライプになった「Stripe Gusset Tee」も、単純な設計のように見えて非常に凝った線を描く洒落た一枚です。

通常のTシャツは脇縫いが直線的に入っていますが、このTシャツはシャツ生地が曲線で入るように前身頃と後身頃のバランスがバラバラに作られていて、ハンガーに吊った状態は脇下部分が歪な形になっています。

前から見るとストライプ生地が見えて、後ろからは見えないような形。

「Army Hem Shirts」は、クラシックなストライプ生地のレギュラーシャツに、M-65の裾部分がドッキングされたデザイナーFさんの得意とするニュアンスが入ったアイテム。

こちらも言わずもがな、それぞれをバラバラに作ってくっつけただけではないことは一目瞭然な、ドンピシャなバランスに作り直して合体させられた手の込んだデザインです。

いつかのブログにも書いた気がしますが、あまりに上手いとお客様に上手さが伝わらない(自然に見えすぎて何が大変なのかわからない)ことがあるのですが、nutermもまたその症状が見られるブランドです。

デビューシーズンから継続的に人気の「Relaxin Shirts」が最たる例ですが、前回の記事にも書いた通りストライプの柄がパキッと立つように生地を特殊な方法で織り上げたり、シンプルなオーバーサイズのレギュラーカラーシャツに見えますが明らかに違う首周りの設計や肩のシルエット、襟の動き方(返り方)など「ベーシックに見えて、こだわり抜いている」という点で、まさにBechicsで扱いたいシャツの基準を全て満たしてくれている店主絶賛のシャツです。

先日、あるお客様が遠方から弊店までわざわざこのシャツを買いに来てくださり、全国で完売していて似たようなストライプのシャツを探したけどもやっぱりこんなシャツはなかった。というお話を聞いて感激するとともに、そのような目の肥えたお客様に選ばれたnutermはやはり素晴らしいブランドだと再確認できました。

このように、18SSのnutermは何となくありそうなものと感じるも、結局ないものになっている新しいコレクションです。

後編へつづく。


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