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  • 店主 角地 俊耶

新しい人と古いもの


Is this New? or Vintage???

最近は、銀座や渋谷、六本木だけではなく中目黒にも外国人旅行者がたくさんいらっしゃり、Bechicsに入店されるお客様の約10%程度は外国人のお客様です。

今日も先ほどお話好きな外人さんにご来店頂き、私の辿々しい、英語というよりは単語に近い必死な言語で「コノショウヒンハトテモヨイキジデツクッテイル」「ミルヨリモキルベキデス」などという会話をして、様々な商品をご試着頂いたあとにAnonymous Ismのソックスを嬉しそうにご購入頂きました。

外人さんのように、実際よりもオーバーに「Very nice shop!! mmm…cooooool!」なんて言って下さると、ああ、やってて良かった。。。という気持ちになります。

(英語を話せるようになりたいって生まれて何回思っただろう…)

そんな接客の中でよく聞かれる「Is this New? or Vintage???」は、Bechicsで古着を扱っていることから外人の方はもちろん、日本人の方にも1日1回くらいは言われるお客様との会話ランキング上位なフレーズです。(それと同じくらい、コレは新品ですか?と言われるFill the Billのビンテージ臭も別の意味でスゴイ。。。)

最近はたくさんのお客様が「古着な気分」のようで、古着を目的にBechicsへご来店されるお客様も少なくありません。私もそんなお客様の楽しそうに選ばれる姿を見て、非常に嬉しく感じています。

そのようなお客様とお話をしていると、古着は何かと選ぶのが大変だというお声も多く、店内の商品が100%古着で埋め尽くされたお店で掘り出し物を見つけるのも大人のお客様には骨が折れるというのもよく分かります。

と、いう事で、Bechicsは古着をほんの少しだけ(大体店内の2〜3割を理想としています)取り扱っているのですが、これらの商品は全て私がアメリカで200件くらいのお店を回って1点ずつ選んで購入してきたものたちです。(1日15時間くらい古着を選び続け、朝4時に起床する10日間の激務…など。道中の苦労話は是非店頭で聞いてやってください。。。)

Bechicsの古着は1970's〜1990'sのものが数量的には最も多く、あとは1940's〜1960'sのやや古いものたちがちょこちょこと、2000'sのものもまーまーたくさんあります(古着に関してはオンラインストアに掲載できていない商品があまりに多くてすみません。。。)。

私はそんな古着に対して、いくつかのポリシーを持って買い付けています。

1:古ければ良いってモンじゃない

2:次シーズン買い付けたデザイナーズの商品と相性が良いか

3:お客様の手持ちの洋服に良い意味で違和感を与えられるか

4:トラディショナルな商品か

5:着たいと思えるコンディションか

6:商品の価値以上の値段をつけない(これはとても難しい)

7:おもしろいか

というような、当たり前のこと(Basic)を大事に、1つずつ丁寧に選んでいます。

古着は当然現存しない商品が多いことから希少価値や付加価値等が加わっているものも多く、また、同じクオリティーのものも諸事情から価格が均一ではないという一面もありますので、選ぶ側からすれば迷うのも理解できます。

しかし、そんな面倒な古着を着たくなる理由としては

①:新しいものよりもおもしろいものが欲しい

②:見たことがないものが多い

③:良い意味で、手持ちの洋服と大きなギャップがある(サイズ感やバランスなど)

④:古いものや使われたものの味わいがカッコイイ

⑤:着やすいもの、便利なもの、手軽なもの、よりも個性があるもの

⑥:ブランドを買い続けた方の息抜きとして

ひと昔前は、中古という言葉に悪いイメージがありましたが、今はリサイクルやエコのように、ものを大切にすること自体がオシャレであるとも言える時代になり、古着の価値が改めて見直されるのも当然のように思います。

先に箇条書きにした1〜7のことは古着だけに限らず新品にも同じことが言えるのですが、商品を選ぶ基準は全て、”Bechicsのお客様が喜ぶ商品か”でしかありません。

それがたまたま古着であったり、先ほどの外人さんにとってはAnonymous Ismのソックスだったのだと思います。

古着は誰かに買われ、そして何らかの理由で誰かから手放されたものです。

そしてまた別の場所で新しい人の心をギュッと掴む、私は古着のそんな一面も好きだったりします。

Bechicsにある全ての商品がお客様一人一人に喜んで頂ける商品になるよう、これからも気持ちを入れて丁寧に選んでいきたいと思います。


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