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  • 執筆者の写真Toshiya Kakuchi

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今回、I.D INDUSTRIAで目を付けたのはヴィンテージの囚人服。



アメリカの監獄で使用される”予定”であった、まだ誰も袖(パンツなので裾か)を通していない、犯罪者を待ち続けるという悲しい運命を背負って生まれた服です。



そのようなものに目を付けた理由は、素直なことを言えば皮肉にも私のようなファッション中毒者から見ると理性を失ってしまうような強いオーラ漂う服だから。



そして、よくある話で私もその通りだと思うので同じようなことを言ってしまうのですが、世の中から犯罪を待つような準備を消したい。



或いは、犯罪者そのものが消えてくれることを願う、そんな思いが多少あります。



過去にはミリタリー出自の服をスポーツウェアにトランスフォームさせたこともありましたが、それと同じような気持ちです。



ズドンとした、行儀の悪い囚人のために作られた服は極めてタフで繊細さのカケラもありません。



そこにあるのは、これから長い間監獄生活を送る囚人が日夜更生のために自らと向き合うための、全く無駄のないデザイン。



お洒落など微塵も感じさせない、平和な生活を送る私たちの感覚で言うならミニマルな佇まいです。



今回のリメイクではこのプリズナーパンツを原型にして、ウエスト、ヒップ、ワタリ、スソはもちろん、縫製仕様においてまで全て目的から遠ざけるようにトランスフォームさせました。



そして、少しでも皆様にお楽しみ頂けるように今回は15本全てをバラバラのデザインに作り替えて、全15種類を細かく設定して同じものがないようにしました。



着地点としてはリメイクというフレーズから想像する大胆さを裏切り、非常に使えるパンツに仕上げるべく私が名品と称えるベーシックなワークパンツのバランス感を目指しています。



8月1日(土)より、発売いたします。





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