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  • 店主 角地 俊耶

ハイブリッド

今の気分のひとつ、ハイブリッド。

ハイブリッドからイメージすることは、元々が確立した個体であるもの同士が統合するという感覚で、その混ざり方にどれだけ新鮮さや趣味の良さを出していけるかが今とても大切だと考えています。

ブランドで言えば、sacaiやGUCCIやmando、そしてOLDPARKなど手法はそれぞれが全く違うものの、大変お手本となるハイブリッド感です。

それともう一つ、ここしばらく感じていることですが、トレンドに関しては今は忠実に押さえることや新しさを伝える以上に、全体感を吸収しながらいかにその店やその人らしい解釈でお客様に伝えていくか(=自分らしさを加える)が大事だと思っています。

そういう意味でも、今また再びセレクトショップの可能性に自分自身ワクワクしています。

2018年秋冬シーズンも今までと変わらず押さえるべきポイントがあり、素材、シルエット、色、柄には最大限の注意が必要だと考えますが、Bechicsではそれらを意識しながら私の引き出しにあるトラッドでアヴァンギャルドな方法論で新鮮にご提案していきたいと考えています。

古着の買い付け前には、毎回できる限り多くの資料(雑誌、古書、写真、ネットで検索をしてから逆にアナログな本で掘っていくことなど)に目を通してから自分の気分を整理していきますが、出発前に今までと違ったところは、お客様が求めているだろうものを探す旅ではなく、お客様は求めていないが欲しくなるようなものを探したいという、ある意味売れないかもしれないリスクを背負う結論でした。

それにはいくつかの理由がありますが、ブレない芯を持ちつつチャレンジがあるようなモノゴトを見かけたときに、気持ちが高まる気がしたというのが一番です。

例えるなら、天才ウクレレ少年と呼ばれる近藤利樹くんの歌う「デッカイばあちゃん」は、それまで祖父母に対してや孫に向けてささやかながら温もりたっぷりの愛情を、しっとりと歌い上げることで聴き手が感情移入する…というセオリーを完全に裏切る、ウクレレで明るく笑顔で軽快に歌っている少年の声に耳を澄ますと、自然と涙が止まらないというようなことだったり、これはあくまで一例ですが真逆のアプローチに心が動く気分が私の中にあります。

そんなわけで、しっかりと歴史や伝統を頭に置きつつ自由に選んだ古着をまたお店に並べましたので、是非チャレンジもお客様らしいアレンジもしてみてください。

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