Bechics3周年とSEEALL -vol.1-

August 20, 2019

おかげさまで、Bechicsは8月13日をもって3周年を迎えることができました。

 

 

これはひとえにお客様とお取引先様のおかげで、心より感謝を申し上げます。

この3年間、誠にありがとうございました。

 

 

そして、Bechicsは3周年を節目に、この先も少しでもお客様のお役に立てるようもう一度褌を締め直してやっていく決意でございます。

 

 

と、いうことで様々なことに一度区切りをつけて新しいことがしたいと考えている最近のワタクシですが、縁あってまた新しいブランド「SEEALL」に出会うことができました。

 

 

 

 

先に結論を申しますと、こんなにも運がいい自分に久々に鳥肌が立ちました。

素晴らしい創造性と奥行きを感じるブランドで、近年稀に見る実力を持ったブランド様だと確信しています。

 

 

SEEALLについてのブランドおよび商品紹介は、これからじっくり時間をかけてやっていきたいと思っていますが、今回は「Bechics3周年とSEEALL」というお話。

 

 

第一回目のコレクションとなる19AWスタートのSEEALLは、様々な「カルチャー」と世界の「産地」を知り尽くす日本人デザイナーがたった一人で始めたブランド。

 

 

後述しますが、この「カルチャー」が大変重要なブランドです。

 

 

 

 

その名の通り”全てを見る”ことをテーマにしたSEEALLは、糸、革、織、染め、縫製など、他にも色々とありますが服作りに関わる全ての産地と工程をデザイナーが世界中から選定し、決定していくということが一つの持ち味です。

 

 

それは、言い換えるならどれだけ優良な生産背景を知っていて、それを利用できる関係性を持っているか?ということですが、世界でも有名な手の良い生産地である日本やイタリアなどだけではなく、インド、アルゼンチンなどまた違ったベクトルの手仕事の味を持つような国とも仕事ができ、コレクションに必要で糸から入って素材を作る必要があれば1から作り、特に手を下すまでもない素材があれば個々特色を持つ素材も使うというやり方。

 

 

お客様には伝わりにくい話ですが、ブランド側の人間は誰しも良いものを作りたいとは思っているものの、様々な理由から作り手を選べる環境にないところも多く、言わばフレンチのクレープも、イタリアンのピッツァも、アメリカのハンバーガーも、ウクライナのボルシチも、ハンガリーのグヤーシュスープも、そして日本の割烹料理まで本場の料理人が一堂に会し、調理方法のクロスオーバーまでしてしまう星付きレストランの支配人のようなブランドがSEEALLと言えます。

 

 

 

 

そして、ただ手触りの良いものやツラの綺麗なものを作るに止まらないのが、このブランドが一歩リードしているポイントです。

 

 

例えば、ブランドがリリースしている説明文にこのような文言があります。

 

 

 - アルゼンチン手織り -

 

生地を作る初期の装置は手動織機でした。長方形型の木枠が糸を織り込み両端を止め、この方法を用いて織機は糸を一本ずつもしくは、まとめて持ち上げ、角形の空きを作りそこに横糸が通っていくという行程で生地が生まれます。この織りの芸術はアルゼンチンに広く伝わる手工芸です。織機は南西部地方のマプチェや北西部のトノコテ、カルチャキの女性のみが使うことができました。現在アルゼンチンでは北西部地域でこの忘れ去られた芸術ともいえる伝統を引き継ぎ、技術を継承していく動きがあります。工芸を生きたものに保とうと創造と革新の様々な努力がなされ、工業製品へのアンチテーゼを掲げています。この技術を使い手織りの職人との協業によりモダンな感覚を取り入れ、現代のリアルクローズ、そして未来のアーカイブとなるようなアイテムを製作しました。使い勝手の良いシンプルなショールカラーのコートは織地の特長を最大限に活かすシンプルなもの、フランスの50年代のモールスキンのワークジャケットを織り生地で再解釈、カーディガンジャケットはインナーにもアウターにもなる優れもの。1日のルックにアクセントを加える大判のストールも製セックスで展開されています。作しました。ほとんどのアイテムはユニセックスで展開されています。

 

 

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進んだ技術や最新性とは違う、現地の空気から生み出される独自の風合いや雰囲気を最大限に引き出し、単なるエスニックの直球ではないアップデイトができる感性は、他のブランドで言うところのドリス・ヴァン・ノッテンなどを彷彿させるような方法論でもありますが、また違った持ち味に着地しています。

 

 

 

 

世界には私たちがまだ知らないような様々な文化がありますが、こと土着的に生まれ発展した手作業の美しさは奥ゆかしく知性的で、大量生産主義との対局という論法ではあまりに簡単すぎるような個性の素晴らしさを改めて感じます。

 

 

そして、SEEALLの奥行き、"全てを見る"ことの真骨頂はここからです。

 

 

 

 

SEEALLが掲げたファーストコレクション「EDITION 1」のキーワード。

 

 

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Ornette Coleman

The Style Council

 

Marcel Broodthaers

 

Richard Serra

Annie Leibovitz

 

暗黒街の弾痕(1937年Fritz Lang監督)

 

Marianne Brandt

 

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Bechicsのこれまでとの違いはここにあると言える、より体系的にファッションを捉えていくという行為。

 

 

率直に、外観先行のファッションや誰でも理解できるようなものとは距離を置き、あくまでリアルクローズでありつつ知性や奥行きがあり、簡単に言うなら大人が着ていて恥ずかしくない洋服を多く取り揃えたいと考えています。

 

 

SEEALLの商品は、作りも徹底的にこだわりファッションの外装としての完成度も高く、シンプルで決して難解ではないアイテムも多い印象です。

 

 

素材、仕立て、その他の条件を語るだけでも十分に魅力を感じる品々ですが、しかしその本質は前述にあったマルセル・ブロータスのようにとてもコンセプチュアルであり、オーネット・コールマンのような未来的なカオスであり、リチャード・セラのようなダイナミックなザラつきもある。

 

 

私にはある意味カルチャーそのものを換骨奪胎した、ファッションの新たな表現方法こそがSEEALLの核であるようにも感じます。

 

 

 

 

 

The noblest pleasure is the joy of understanding.

(最高に優れた娯楽は、理解することだ)

 

 

はるか昔にレオナルド・ダ・ヴィンチが語った言葉はいつでも私の中にあり、常に易くならず、多くに理解されないことへの恐怖もクリエイティヴィティで乗り越えていきたいという決意は開業間もない3年前のあの頃から変わっていません。

 

 

このブランドについてはこれから続編も含めてお話をしていきたいと思っていますが、できるなら私を含めた誰かの言葉やメディアの情報に左右されず、最初にブランドのタグを確認するような人ではない本当に洋服の価値が分かるお客様にご興味頂けるとありがたいと思っています。

 

 

このブログを書いている現在、SEEALL公式インスタグラムのフォロワーはわずか477人ですが、20年近くファッションに尽くしてきた者として次なる光がSEEALLにはあると感じています。

 

 

久々にゾクゾクするブランドが現れました。

私の選球眼が本物か否か、今後世の中に現れるSEEALLの評価が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

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