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  • 店主 角地 俊耶

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ワンシーズンに2回も同じブランドのブログを書くことも珍しいのですが、それくらい気に入っている今シーズンのKics Document.。

Kics Document.というブランドとのお付き合いを始めて既に2年が経ちましたが、今回ほど店主の気分とマッチしたシーズンは過去になかったような気がしています。

理由はとてもシンプルで、次を思わせてくれる色、素材、サイズ感。

ニュアンスカラーや、複雑なネーミングの色が広まったここ数年の流れを受けて、次に着たい色はカウンターとなる「黒・白・生成り・セージグリーン」の4色だと考えていますが、さらにその先にはグレーが待っています。

黒・白のような無彩色は、ピンクは女の子、ブルーは男の子といった印象もなく、男性がピンクを着るジェンダーレス感覚のような遊び心もありません。

生成り・セージグリーン、そしてグレーも、白・黒に次いで寡黙で色そのものがまるでないような、ゼロの状態を思わせる色です。

色自体が新鮮だからオススメだというのはもちろんですが、それなら見ればわかるよという話なのでもう少し掘り下げると、逆説的な説明になりますが「色ではない…ということは」というお話に発展していきます。

洋服を特徴付けるいくつもの要素の中から代表的な例を挙げると「色・柄・素材・デザイン・形」の5種類が主だとしますが、この中でしばらく停滞していたと考えるのが「デザイン」。

まだまだミニマルなムードが重要であるトレンドの中、”無彩色×デザイン”の組み合わせを使ってこれまでと違った新鮮なアプローチをしているKics Document.のこなし方にとても惹かれた、というのが以下にも共通するコアです。

次に素材。

強いハリ感と均質な顔つきを持った合繊のようなコットンや、或いは合繊そのものが気になる今の気分にズバリ合わせてくるようなラインナップで、今回特に気に入っているコットン×ポリエステルのマッチングがされた中肉の天竺素材は、しっかりとコシを持たせた固めのタッチにクリアな表面感といった最高のチューニングがされた秀逸なカットソーです。

写真からもわかるように非常に毛羽が少ないクリアーな生地ですが、しっかりとした肉感を持った天竺素材…という、質の良さが見える素材です。

その他、完全に合繊としか思えないようなゴワっとした布帛を使ったハーフジップシャツも同じく素材の気分をとらえていて、これらの素材をテーラードベースのアイテムに乗せていく方法論も上手い。

”緊張感”がキーワードである今の気分に、ビタッとハマるこなしです。

最後にサイズについては店頭でも既に多くのお客様から聞かれる声ですが、極端なオーバーサイズからの移行を感じています。

適度に分量感があり、体が美しく見えるような立体感を持った服というのが次なるニーズと考えた時にも、今回のKics Document.がそれに応えたものであることはご覧の通りです。

決して唐突ではない、今までからのバトンタッチと未来を指し示すような今作は、静謐に見えるプロダクトに巧みなデザインやサイズ調整を入れて進化させていて、新たなムードを思わせる品々です。

そして、来週4月30日についにオープンされる、Kics Document. Atelier Shop

デザイナーの武石さんと直接お話ができる貴重な空間で、Kics Document.のプロダクトや武石さんたちのこだわり抜いた姿勢を是非体感してみてください。

私がKics Document.に感じる魅力を共感頂き、今以上に多くの方々がKics Document.のファンになって頂けると信じています。


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