Est. 1899

しばらく履いていなかったデニムがまた気分です。

 

キング・オブ・ベーシックとも言えるデニムですが、究極のところLevi's以外に必要なものはあるのか?という疑問が拭えず、積極的に仕入れてこなかった今まででした。

 

しかし、気分は再来しつつも履きたいものを問われるとベーシックな501でもない。

 

今の気分を捉えていながらクラシックで時間と戦えるような、そんなデニムがないものかと探していた時に見つけたのが「CANTON OVERALLS」。

 

 

 

 

アトランタにあるCANTON MILLSは19世紀末にデニムの紡績メーカーとして創業し、オリジナルのレシピを使った屈強で高品質なデニム生地を作れる技術が評価され知名度を高めました。

 

あの1900年代中期までのデニム最盛期に、ノースカロライナのCONE MILLS社と双璧となる存在として世界中から厚い信頼と尊敬を獲得し歴史を刻んでいくわけですが、1960年代の自由貿易化をきっかけに岡山の児島へ初めてCANTON MILLSのデニム生地が到着します。

 

当時はCANTON MILLSの生地を使ったデニムという意味を込めた「CANTON」名義でブランド化を図り日本でも爆発的な人気を博しましたが、まだまだ海外の企業を巻き込んだビジネスに慣れない当時、大もとであるCANTON MILLS社とCANTONのブランド名使用に関して争うこととなってしまい、結果的に裁判に勝訴した日本側もCANTONデニム事業を畳んでしまうという時代を思わせるエピソードはデニム製造業従事者の中で有名な話です。

 

CANTONブランド設立の1963年から実に5年ほどの短い期間で、日本が初めて自国内で作り伝説となるはずだったデニムがまさか姿を消したのです。

 

 

そして、それからちょうど40年が経った2008年。

 

 

 

時代は変わり、H&MやTOP SHOPなどのファストファッションが台頭する中、真逆のベクトルと言っても過言ではないあのこだわり抜いたデニムを求めて、「CANTON OVERALLS」はその名を新たに、ALL JAPAN MADEを掲げ復活しました。

 

 

デニムブームが久しく訪れない中でもCANTON OVERALLSは持ち前の品質の高さやデニムのプロフェッショナルチームが生み出す妥協のないモノづくりから、当時を知る玄人や新たな世代から支持を集め、近年では英国を代表するブランドの一つ「マーガレット・ハウエル」との協業などもフィーチャーされて今に至りますが、生粋のクオリティーコンシャスで知られるマーガレット・ハウエルさんがどのような意図を持ちCANTON OVERALLSと手を組んだのかを想像するのは容易です。

 

 

より高品質で、より永続性があり、よりコンテンポラリーなデニムを作る、その相手として相応しかったのでしょう。

 

 

Bechicsで買い付けたCANTON OVERALLSオリジナルの1963XXデニム素材を使った#105モデルは、Levi's XXへの尊敬と展望から成り立つ今の時代に作るべき最高のXXを象徴するデニムです。

 

 

 

 

12.0ozの生状態から洗いによって縮み13.75ozへと変化していく経過や、生地の裏面を走る黒いネップ痕など細かすぎる芸当はあの頃のままに、Levi's精通者からも歴史上最高傑作との評価もある1947年XXモデルをベースにしたシルエットからさらに1.0cm〜数mm単位で黄金のバランスを削りモダナイズさせた繊細なアップデイトは、違いのわかる”自分で選べる人”だけの領域でしかありません。

 

 

 

 

デニムの王様同様、シュリンク トゥ フィットを前提に作られたデニムは試着の一瞬で判断できる代物ではなく、ある種の賭けをもって購入し、そして所有者がどのように管理する(育てる)のかでまるでベツモノになるわけですので、あとは本人のデニム経験値と私の言葉を信じて頂けるかということになろうかと思っています。

 

 

…ということで、いつものように細かいお話はほどほどに、今の時代はデニムのウンチクほど非効率なことも珍しくなってきましたが、洋服の面白さや深層的な良品をアプローチする上でこの上なく良いものだと思い買い付けました。

 

 

私が本気を出すと30分は説明が止まりませんので、大して興味のない方はお店であまりじっくり見ないよう…お気を付けくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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