Good Design Clothes

October 5, 2017

「ミニマル」というフレーズももう耳慣れてきた頃ですが、個人的には以前からミニマルなスタイルは大好きで、JIL SANDERなどを筆頭にミニマルで美しい洋服を色々着てきました。

 

「シンプル」と「ミニマル」の差は言葉の意味通りで「簡素」と「最小限」。

ともに省くことを前提にしていますが、無駄を削ぎ落とす考え方が簡素で、無駄も必要な場合は残すのが最小限ということになりますので、どちらが良いという話ではないですが少し意味合いの違いがあることに気付きます。

 

そういう意味では、ミニマルというのはよりこだわりを厳選していく考え方になるため、強調する部分を色濃く残していった結果が所謂ミニマルに見えてくるわけで、緻密に計算されていることが前提であると感じます。

 

さて、ATELIER BÉTONが基本姿勢として掲げる「耐久性のある道具としての服」という考え方は、洋服のデザインを行う以前に着想のデザインから入る行為ですので、その時点で随分いろいろなことが省かれていきますが、大まかに言ってしまえば、残すべきは「タフで使いやすく」そして「美しく」という点で、より純粋にプロダクトの完成度を高めていく作業はデザインの原点からモノを見る感じではないかと思います。

 

 

冒頭に出てくるナントカカントカATELIER BÉTONというのは、BÉTON(独=コンクリート)という名前の通り、ドイツに所縁のあるこのブランドが2017年に掲げたテーマで、和訳すると「家庭用品とモード、ドイツ式工業製品と自由」。

 

相反するような2つの要素をATELIER BÉTONらしく繋ぎあわせたコレクションです。

(昭和中期のようなビブラフォンと画質、編集を入れない物の動きが何ともシブい…)

 

COMFORTABLE SHIRTと名付けられたベーシックなシャツは、BLUE GREYとICE GREYのスモーキーな2色展開で、削ぎ落とされたシルエットとデザインが特徴。

 

 

ショートポイントの襟やフロントの比翼仕立てに見られる削ぎ落とされたデザイン、肩線が後ろに流れていくパターンは着用時に前から見ると接ぎ目が消えて、流れるような肩のフォルムが浮き上がるデザイン。

 

 

 

高密度に打ち込まれたタイプライター素材をソフトに着られるように叩き洗いされ、しっかりとした着心地がありながらあらゆる動きに対してストレスのない仕上がりになっています。

 

 

 

 

 

ドイツのジャンベルカという編み機を使ったスウェットは、独特の柔らかさと味わい深い表情を持つ生地が特徴ですが、オーバーサイズのパーカはふっくらとした生地をさらに贅沢に使って肩線がヒジあたりまで落ちるような設計に。

 

 

単純に袖が長くならないように、袖先までの距離感には絶妙の調整がされています。

着るとわかるのですが、もっちりとしたドレープ感が今までのスウェットにはあまり見られない、生地の表情自体もデザインになっているパーカです。

 

 

また、同じ生地で作られたハーフジッププルオーバーは、首元のリブがしっかりと締まったタイトなバランスが特徴。

 

 

大胆に広く取られたアームホールと、若干短めの着丈のそれぞれが、お互いの長短、広狭を際立たせるデザインになっています。

 

 

 

 

アトリエコートと呼ばれるコーデュロイのチェスター型コートも、たっぷりとした分量感でオーバーサイズの洋服の上からも無理なく羽織れるようなサイズ感ですが、前振りの袖や高めに設定されたボタン位置が流れるシルエットを作り出します。

 

 

わざと腰をなくした落ち感あるコーデュロイ素材を、しっかりとテーラードで作る贅沢なギャップを生ませたデザインは、着心地とルックスの両方に納得できる仕上がり。

 

曖昧な色感が最大の特徴となったアトリエコートも、自宅で洗えるイージーケアがこのブランドらしい使いやすさとなり、トータルでの世界観が見られるポイントです。

 

 

 

 

 

 

 

ミニマルを語る上で絶対に外せない、世界的に有名なツール「BRAUN」の生みの親である、ディーターラムスが語った「グッドデザインにおける10の原則」が印象的ですので最後にご紹介します。

 

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「グッドデザインにおける10の原則」

 

1:革新的

ものごとを革新していくための可能性が尽きることはない。技術の進化がつねに、革新的なデザインへの新たなチャンスを与えてくれる。しかし、革新的なデザインとは、つねに技術の革新とともに生み出されるものであり、デザインだけで完結することはない。

 

2:実用的

人は製品を使うために買う。その製品は機能面だけでなく、心理的、美的な面においても、一定の基準を満たしていなければならない。グッド・デザインとは、不要なものを可能な限り削ぎ落とし、実用性を最も重視したものだ。

 

3:美しい

製品は、日々それを使う人の個性、健康や暮らしの質にまで影響をおよぼすのだから、製品の実用性に美しさが加わることが欠かせない。しかしながら、ていねいに仕上げられたものだけが美しい。

 

4:分かりやすい

グッド・デザインは、製品の構造を際立たせる。さらに、製品が語りかけてくる。そして、最も優れたデザインは、それ自身ですべてを語る。

 

5:主張しない

ものは道具としての役割をしっかりと果たす必要がある。装飾的なオブジェでも美術品でもない。使う人の個性を発揮する余白を残すためにも、デザインはニュートラルで控えめであるべきだ。

 

6:誠実である

グッド・デザインは、製品を実際以上に革新的だったり、強力だったり、有用に見せたりしない。見せかけだけで、消費者を操るものではない。

 

7:ながもちする

グッド・デザインは、流行から距離を置く。そのため、古くなることもない。ファッショナブルな流行のデザインとは異なり、今日のような使い捨て社会にあっても、長く使われつづける。

 

8:細部まで完璧

あいまいさや予測不能な要素をいっさい残してはならない。デザインをするうえでの細心さ、正確さは、消費者への誠意を示すものだ。

 

9:環境にやさしい

デザインとは、環境保全に大きな役割を担うものだ。製品がつくられ、その役割を全うするまでの間、資源を節約し、物理的に環境を汚染せず、そして見苦しいという視覚的な汚染もしてはならない。

 

10:純粋で簡素

「Less, but better」— より少なく、しかもより良く。それは、本質的な部分に集中するということ。それによって製品は、不要で過剰なデザインから開放される。

純粋で簡素、そこに立ち返ることだ。

 

 

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「シンプル」や「ミニマル」は、中身があってはじめて成立するものだと思うと、私もまだまだ勉強しなければならないことを痛感いたします。

 

 

 

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