手と手の間にある空気

November 17, 2016

今日ご紹介するNiche.(ニッチ)の洋服が大好きです。

結論から言えば、歴史と伝統への尊敬に加えた強いオリジンがあるブランドだから。

 

デザイナーのOさんは、ある有名なブランドの企画者を経てご自身で独立されました。

 

Oさんがお勤めされていた過去の会社からは、ニューヨークや東京では特に引く手あまたなブランドも輩出されていて、私もそれらの商品をいくつも持っています。

 

Niche.のコンセプトは会社名(THIS TIME inc)にもあるように、今の気分と歴史ある品々を丁度よく融合させること。

例えば、Niche.のデニムはLevi's 501ジーンズへの尊敬がベースとなっていて、生地やシルエット、デザインをその時々の気分に合わせて少しずつ変化させていく手法が採用されています。

 

Re-Suggestion(再提案)というラインもNiche.のコレクションの中では人気の一つですが、実際に#501を一つずつ職人が解体し、新たな形を作る(例えばそれを606に近づける時もある)ような大変な事を手と時間を使ってされています。

 

「#606を最初から買えば良いんじゃないの?」

 

と言われてしまいそうですが、古い#501が持つ独特な生地やクセはまた#606とは異なることを知っていて、#501の味わいを残しながら#606へモダナイズする。

 

それって無駄なことだと言ってしまえばそれまでかも知れませんが、ファッションから無駄がなくなってしまうと本当につまらないなぁと思います。

 

そんな時に、Niche.の強い気持ちに私の琴線が触れました。

 

また、Niche.のベースはアメリカントラッドなテイストが多く、ワークやミリタリーの要素を使ったデザインもよく使われますが、その中にNiche.独自の感覚が光っています。

 

 

アルゼンチンなどの南米で見られるような独特なクラフト感や色、素材の使い方。

簡単に言えば、「ワーク・ミリタリー」+「エスニック」のような組み合わせもNiche.のお家芸として毎シーズン楽しく盛り込まれています。

 

今シーズンの買い付け品の中でも特に思い入れのある商品「Rupee Mantle」は、インドの大判ストールを見つけたことからこの商品のデザインが頭に浮かんだというお話です。

素敵なストールだけど、日本人の感覚では巻くには大きすぎるだろう…。それなら、洋服として生まれ変わってみれば、この素敵なファブリックが十分に活きるんじゃないか?そして、そのデザインは単純なシャツやジャケットにせず、大きなストールを着ているような形にすればこのストールの本当の良さを残せるんじゃないだろうか?

 

Bechicsで扱う古着もそのような感覚が少しあって、「古いもの」から「新しいもの」を生み出すことが、今とてもクリエイティブなことではないかと考えています。

 

少し極端なことを言ってしまえば、創造性を伴わない「新しいブランド」や「新しいもの」というキーワードには我々の気持ちは動かなくなっているとも感じています。

 

一つ一つの商品をよく触って観察してみると、その中には作り手の強い気持ちがじんわりと見えてくるはずです。

 

手間という言葉は手との間と書きますが、私はそこに流れる良い空気は手が入っているからだと思うのです。

 

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