圧倒的にブーツカット vol.2
- 店主 角地 俊耶
- 2019年9月11日
- 読了時間: 2分

nutermの初期からコレクションに存在する「AKIRA TROUSERS」。
今シーズンは圧倒的にブーツカット!ということで、名品を初めて買い付けさせて頂きました。
読み方は「アキラ・トラウザーズ」です。
そのまんまですネ。
私が勝手に想像していた大友克洋さんのAKIRAとは何の関係もないということで、デザイナーFさんが90年代前半にお勤めされたいた会社にいらっしゃった、尊敬していたAKIRAさんがいつも履いていたパンツをイメージして作ったものだそうです。

AKIRAさんが履いていたパンツは、ブルックス・ブラザーズやリーバイスのもので実はブーツカットではなくストレートだったそうですが、AKIRAさんこだわりの絶妙な短め丈にすることで、ほんのりハネて(広がって)見えたらしく、ブーツカットのそれよりもストレートのハネた見え方が断然カッコいい!というデザイナーFさんのマニアックなこだわりを詰めこんだシルエットとなっています。
(実際のAKIRA TROUSERSはほんの僅かにフレアしています)
そして、AKIRAさんは当時フレンチスタイルを好まれたらしく、リーバイスまでツルッと短めに履いてJOHN SMEDLEYのトップスを合わせる上品な着こなしをされていたこともまた、AKIRAトラウザーズにおいての美意識を形成しており、そこは「仕立ての美」として反映しています。

パンツを作るにも関わらず、わざわざスーツ工場のパンツ生産ラインを選び、そこにいる職人さんと話をしながら仕様について細かい部分を固めていくというこだわりようで、Fさん曰く「その工場は縫う前から工場に漂う空気が素晴らしく、理屈で説明できないがここでしか思い通りの顔つきにならない」そうです。

生粋の職人さんに縫ってもらうことには様々な苦労もあるらしく、これはあまり良い情報ではないかもしれませんが、Fさんがデザインとしてこうしたいと思ったことを職人さんに伝えたところ、「ウチはそんなやり方なら縫わない」と突き返されることもあるそうで、それくらいプライドを持って縫われている場所でしか作れない雰囲気がAKIRAにはあるとFさんは仰っていました。
どこかクラシックで、どこかフレンチで、どこかモードなnutermのAKIRAトラウザーズ。

”微”ブーツカット仕様の、圧倒的に今シーズンらしい一本です。