• 店主 角地 俊耶

Modelistaが着ていた服


今シーズン、特に好調と呼べるATON。

他のブランドと比べてやや後発的に入荷してきた印象ですが、ほぼ毎日何かが売れているような状況を見る限り”やはり…”と感じる他ありません。

”やはり…”については、既にお求め頂いた皆様ほどよくお分かりだと思いますが、その特徴としてリピート率の高さがあります。

前シーズンにお求め頂いたお客様がかなりの確率で翌シーズンに「またATONを…」となっているわけですネ。

Bechicsでは17年AWよりお取り引きをスタートしているATONですが、当初より、「これはすごい!これはすごい!」と叫んでいたことをよく覚えています。

実のところ、17AWのスタート当初から顧客様を中心に多くの方にお求め頂けていたのですが、店側目線のハナシをさせて頂くと「プロパー消化率」という、仕入れたものがどれだけ定価(プロパー)で売れたのか?を表す指標があり、ATONに関しては初年度からずっとダントツの実績を継続しています。

これまでシーズンで90%を下回ったことは一度もないのですが、なんと前回の18AWシーズンは100%、つまり全ての商品が定価で完売しました。

これは業界的に本当に珍しいことです、というか恐らくほぼないでしょう。

ATONの服は一般的に決して安くないですが、それでもこれなら買いたいと思えるようなクオリティーが伴っていることをはっきりと感じることができ、価格は手頃だけど突き抜けていないものよりも、多少値は張るがこれなら納得と言わせるだけのものが揃っています。

そして、こう言ってはナンですが、この品質に対して現在の価格は正直安いです。

何故かは長くなるので端折りますが、ATONだから実現できるプライスになっていてここも普通は絶対に真似できません。

さて、そんなATONが尻上がり的に支持される原因として、いくつもの要素があります。

1:素材の良さが突き抜けており、新素材の開発スピードは恐らく業界最速である

2:素材にこだわるブランドが多い中で、ATONはパターンや縫製などその他の視点でも非常にレベルが高い

3:どの商品もハズレがない

1、2は予想ができるでしょう。

しかし、ATONがズバ抜けているポイントとしてはこの「3」が非常に重要であり、ATON独自の強みとなっています。

冒頭のModelista(モデリスタ)の存在を知ったのはちょうど1年前、18AWの展示会で初めてその方を紹介していただいた時のことです。

もともとATONのディレクターであるKさんは私の中での師匠の一人(一方的な思いで公認ではないのですがw)で、いつもお勉強会を開いて頂くなど大変かわいがって頂いています。

そんなKさんが18AWの展示会の時に、「角地くんに一人紹介したい人がいるから」ということで目の前に現れたNさんは、白髪ですっきりと身だしなみが整った男性で、当時白いシャツと淡いベージュのスラックス、足元は真っ白のスタンスミスを履かれていました。

そのNさんの名刺には前述の”Modelista”という肩書きが書かれていました。

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角)失礼ですが、モデリスタ…?って…?

Nさん)ああ、わからないですよね(笑)日本にはほとんどいませんから。

角)はい、はじめて見た肩書きです。すみません、何者ですか??(笑)

Nさん)はっはっは。僕はディレクターやデザイナーやパタンナー、そして生産工場などの間に立つ人間です。

角)間とは?

Nさん)洋服って意外とアナログなんですよ、例えばデザイナーがこうしたいって思ったら普通はデザイナーが自分が頼れるドコソコに説明して「ここをこうしてああして…」とやるんですが、僕はその間に立ってデザイナーの話を聞いて、それならドコソコのダレダレさんにやってもらうのが良い、というようにアドバイスをするんです。僕は普段から色々な現場に行って色んな方と話をしています。その際に「この人は頼んだ以上に真面目に縫う人だな」とか「この工場にお願いすると良い感じに甘さが出るな」とか「あそこは最近人手が潤っていそうだな」とか、色々な個性や実情を見てくるです。

角)それをすると何か良いことがあるんでしょうか…?

Nさん)一番良いところは、ファーストサンプルの完成度が全然違います。僕はデザイナーやディレクターが思い描いたことを最短距離で形にするために存在しているので、サンプルが上がってきた時点ではもうほぼ100%やりたいことが叶っているんですね。そして、それの何が良いかと言うと、あとはより良くしていくための話し合いをすれば良いわけですから、最後に展示会にリリースする時には当初イメージの120%くらいの完成度は普通に出せます。意外とこれが重要で、ディレクターもデザイナーも工場もみんな一生懸命やるんですが、お互いの背景や事情を知り尽くしていなかったり、極論ですがそれならあの人に頼んだら良い感じにラフに仕上げてくれる…など、最終的には縫い子さんの性格まで知っていると強いんですよ。そして、それができずにサンプルを作り直し続けて時間切れで展示会を迎えてしまうブランドさんも少なくない。

角)なるほど…!!!!!

Nさん)海外には結構いるんですよ、僕みたいな人。例えば皆さんが知っているメゾンとかには大体存在していますね。

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と、いうことで、前述の「3」が実現する理由がよくわかったわけですが、それと同時にあの時Nさんが着ていた白シャツが非常にカッコよく、ずっと頭の中にありました。

試験的に着ていたものなのか、とにかくカッコよかったです。

無地のシャツなのに、とても表情がある。

ミニマルでいつつ、大胆なヴォリュームと繊細な仕様の対比も存在している。

まるでミリタリーウェアのような、過不足のない機能と独特な美しさを持ったシャツ。

19SSの展示会時に並んでいた「SUVIN TWILL OVERSIZED SHIRT」を見た時にガッツポーズを決めたのは言うまでもありません。

ニュアンスカラーも流行り尽くし、チェックやストライプも散々目にするようになった東京で極限までこだわり抜いた真っ白いシャツが新鮮に見えるのは私だけではないはず。

また一つ、Bechicsで定番と呼びたい究極の白と紺のシャツが加わり、これからしばらくオススメしていこうと思っています。

まずは店頭でご覧頂き、是非お袖を通してみてください。

最高の条件が揃った洋服の、至極の完成度を感じていただけるはずです。


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