新しいmandoのセットアップが入荷しました。
最初に申し上げると今秋の大本命の一つで、マイサイズもオーダー済みの商品。
お客様の立場で言えば価格も見ずに買うと決める時のような状態で、展示会では試着をする前から買い付けを決めたアイテムです。
毎回特徴的な素材を使ったmandoのセットアップですが、今回はウール×レーヨンの5:5混率で、ポリエステルのルックスとは明らかに違うドレス顔。
フラップなしの両玉縁腰ポケットにスラントした胸ポケットは前回同様ですが、今回の大きな違いはラペル幅を0.5cm広く9.0cmへ変更し、フロントボタンを1ツボタンに。
一般的に1ツボタンはフォーマルのタキシードなどに用いられる礼装のディティールですので、今回のジャケットは以前にも増してドレスなものとも言えますが、実はこのジャケットは1ツボタンでありながらフロントの開き加減は2ツボタン同様に設定されていて、どちらかと言えば2ツボタンの下一つ掛けのようなバランスで作られているのです。
つまり、着用感は2ツボタン(いつもの形)でありながら、バランスは下一つ掛けという微細なアレンジがされているわけです。
世界の洒落者が集まるPITTI UOMO(ピッティ・ウォモ)では今年、2ツボタンや3ツボタンのスーツを下一つ掛けする紳士が散見され、ドレスダウンの今を見たことを思い出しましたが、私がmandoさんの製品に最も心を奪われたのはクラシックなスーツの下一つ掛けにあるほんの僅かなアンバランスを見事に修正されていたことです。
それは、従来のmandoのジャケットと比較するとよくわかりますが、旧モデルのボタン位置から+3.5cm高く(サイズ2比較)設定されていて、留めた時にも無駄な余りがなく美しく開くようにされています。
加えて、下一つ掛けの抜け感が残るようにラペルの返り点(襟がロールする起点となる部分)はボタンよりも上に設定することで絶妙なアソビが生まれるという、分かっている大人にしか理解できないことを無言でなさっていました。
ここ数年は大きなトレンドとも感じられるセットアップも、ちょっとしたコダワリを持って着るだけで何倍もカッコよくなるので、楽しく着つつも是非細かいところを意識してみてくださいね。
とはいえ、結局私も遊んじゃう…。