カーディガンが生まれたのは17世紀中期…という面倒臭いお話は今日は控えて、春も目前にして楽しく1つの商品をご紹介したいと思います。
最近になって、カーディガンがまた気になっています。
しばらく流行っていませんでしたし、全然着たいと思えるものが少なかったので疎遠になっていたアイテムの一つでした。
ちょこちょことお話している「トラッド回帰」いや、「ネオトラッド?」なのか、アメカジベースのアイテムをアレンジしたこなしが新鮮ということも一つの原因でしょうか。
1980年生まれの私のカーディガンのイメージは、IVYルックのようなお坊ちゃん的なシャツコーディネートか、80年代のバブリーな肩掛けスタイルのような今の感覚ではピンとこないものではあるものの、なぜかカーディガン自体は気になります。
(唯一70年代のニュートラみたいなハイブリッド感は僅かに共感できますが…)
頭の片隅にいつも「いいカーディガンがあれば欲しい」と思っていましたが、昨年展示会を回っているときにピンときたのがNAISSANCEの”デニムジュードージャケット”。
ジャケットという名前が付くくらいなので、基本的にはカバーオールのような大ぶりで簡素な作りの中に、和のテイストをうまく入れたハイブリッド(最近ハイブリッド中毒な私)なアイテム。
そして、ジャケットのような構築的な形とは対極の、平坦な着物のように体型ありきではなく体型に合わせて生地をさばいていくような、ある種玄人の領域にしかない深さを問われる部分もまた魅力に感じています。
とはいえ、軽く、ガバッと羽織れる形はビッグシルエットのスウェットのような太い袖や、アウターのような嵩張る洋服でも難なく吸収できるのでとても楽チンで便利。
そうこうしているうちにふと気付いたのは、リラックスの中にどうやって緊張感を入れていくかということで、ジャケットやシャツではない羽織れる服って少ないな、というシンプルな抜け落ち感と、漠然とカーディガンに期待していたイメージがソレだったのだと思います。
それと、もう一つはいよいよV開きの服が新鮮に見えてきたこともありますが、それについてはまた別の機会に。
デニムならではの、アタリやロールアップした時の表情の変化は春夏の小ざっぱりした洋服にプラス1点するのに丁度良さそうです。
特徴的な襟はデニムの王道でもあるチェーンステッチなので、洗った時のあの裾がねじれていく感覚が徐々に襟に現れていくようですし、柔道着らしくどんどん洗って色落ち(むしろどこか破れてくれてもいいくらい)したり、丸みのあるシルエットが出てくるあの感じを再現させたいですね。
私の場合はつい遊んでしまうのですが、白いシャツでスキッと合わせるオジサマなんていてくださると本当に嬉しいです。
