
ざっくりと古着の面白いところを挙げるなら、
・同じものがない(あるけど滅びかけている)
・当時の素材、加工などから現行品とは違う雰囲気を持っている
・着込まれたものならではの表情がある
・イメージするものは探しても見つからないけど探してないのに面白いものが見つかる
・1点しかないからそれをどう着ようか考えて着こなす(自分らしさが出る)
そんなところでしょうか。
そういうものを日本の精神性に言い換えるなら、侘び寂びの「寂び(或いは然び)」であったりしますが、時間が経ったものや丁寧に作り込まれているものから出てくる本質がある時美しく見える、という独特な感性が働いています。
大量生産時代に入り、モノをゆっくりと眺め、それぞれの良さを味わう時間もなくなってしまった現代に再び古着が流行するというのは、皮肉にもしっかりと作られたモノが減ったおかげで何十年も前の丁寧な仕事が浮かび上がって見える、そんな状態でもあろうかと思います。
さて、今期よりお取り扱いを開始した「OLDPARK」は、全ての商品が過去にあった古着やそれにまつわる生地などを現代的に「変換」し、リリースしているブランドです。
デザイナーの中村さんが仰っていた
「ビンテージ加工は本当のビンテージには勝らない」
という言葉に心を打たれ、お取り扱いの許可を志願する決意をしたのですが、全くもってその通りです。
アメリカのプロダクトには長年培われてきた歴史的背景が存在し、全て理由があって維持されていることも多く、それらを安易に変えてしまうことはできません。
それなら、一旦完成されたものを使う方が良いと考えた中村さんのアイデアがOLDPARKの根幹なのですが、アプローチは古着には絶対に存在し得ないものとしています。

古着は数に限りがあるので大量に同じものを作れない、という理由から生まれたパッチワークの商品は、異なる2枚のシャツを1つにしてしまう荒技とも思える手法ですが、作り手からすれば1枚の生地からシャツを作る以上に、「解いて-形を変えて-縫い合わせる」という段取りは楽ではありません。

それでも、古着のラングラーのウエスタンシャツが持っている質実剛健な素材やドットボタンが、本来の目的とは違った使われ方になることで新たなデザインとして力強く効いています。
OLDPARKには、そういった理由から同じものが存在しないため全てアソートで、サイズもある一定の範囲内でバラバラです。
また、資材(原材となる古着など)の手配は、最初に書いたようにイメージするものがそのまま見つかるケースが少なく、逆に出たとこ勝負な側面もあり、それがまたこのブランドを面白くするエッセンスになっています。
今までの説明でお察し頂く方もいらっしゃると思いますが、生産にかかる手間が普通のブランドの何倍も掛かってしまうため、実は、まだ納品されていない品番も幾つか残しているような状況です。
まさにONE & ONLYなOLDPARKは、トレンドも、時間も超えてくれる唯一無二の存在になってくれるだろうとますます期待してしまいます。