みなさま、大変ご無沙汰しております。
ホームページを運営する上で致命的とも言える『1ヶ月以上ブログを更新しない』こと。
情けないことに、様々な職務に忙殺されやってしまいました。。。
このページを再びご覧頂いているみなさまにおかれましては、まさに神様。
こんなだらしない店主のブログを再度開いて頂き本当にありがとうございます!!
さて、さっそく本題へ。
今日のテーマは靴。
私が考えるファッションにおいて最も重要なアイテムです。
良い靴は、良いスタイルをつくり、良い体をつくり、良い気持ちもつくります。
『オシャレは足元から』とはよく言ったもので、全てのスタイリングを決定するキメのアイテムが靴だと考えます。
Alden、Church's、JOHN LOBB、zintala、CROCKETT & JONES、F.lli Giacometti、Corthey、Enzo Bonafe、PERON & PERON…。
TOD'S、GUIDI & ROSELLINI、Russell Moccasin、Paraboot、Dr.Martens、GEORGE COX、REGAL、Clarks…。
デザイナーズでは、CARPE DIEM、martin margiela(現Maison Margiela)…など。
この仕事も長いと、レザーシューズも雑食と言わざるを得ないような様々なジャンルの靴を履いてきました。(何事も挑戦することが重要だと考えております)
20代後半で自分のスタイルが徐々に見えてきて、今では全く履かなくなってしまったものも多々ありますが、その時々のスタイルが思い出される私の歴史を彩る革靴たちです。
そんな私が2017年春夏に提案する靴が、
Heinrich Dunkelacker - ハインリッヒ ディンケラッカー -
というブランドの靴。
(覚えにくい名前!というお声が聞こえてきます笑)
オーソペディックのシューメーカーとして1879年にドイツで誕生し、2000年頃から日本でも販売されるようになった、ブランドとしてはいささか後発的なポジションにありながら、昨今ではその質実剛健なものづくりに対しての評価が着実に高まってきているブランドです。
職人気質の強い同社のプロダクトは、カーフはドイツのワインレーダーハイマー社のグレイツフルカーフを、ソールにはジョーレンデンバッハのレザーを使い、最高級の素材をブダペストにある工場でたった30人程度のマイスターが300もの工程をオールハンドメイドで生産していく…という、究極に手が入ったものづくりをしているところが特筆されています。
また、そのような背景もあり年間でも約8,000足程度しか生産できないことから、世界中にオーダー品を待つ顧客が存在することでも有名です。
今回Bechicsでオーダーをさせて頂いたのは、前述のカーフを使ったペニーとタッセルのローファー2型。
Wien(ウィーン)と呼ばれる木型のモデルは、ボクシーなアッパーフォルムが特徴の、
車で例えるなら「メルセデス・ベンツ」や「フォルクス・ワーゲン」、私たちにもっと身近なデザインで例えるなら「BRAUN」や「LAMY」、「RIMOWAのクラシックフライト」などに共通するようなモダンとクラシックを横断する表情が男心をグッと掴む顔つきです。
バウハウスやディーター・ラムスを代表としたドイツのプロダクトデザイン全般に共通する、Form follows function.(形態は機能に準ずる)という引き算をベースとする考え方は、装飾性よりは本質的・実質的なアプローチを重要視していて、少し前のトレンドでいうところの「ノームコア」にも通ずる思考性です。
この靴も例外ではなく、あまりにシンプルなデザインの中には究極にこだわり抜いた人間工学に基づいた設計と、コンマ数mmのドイツ的曲線美が結果として「質実剛健」な靴としての魅力を最大限に高めているのだと感じています。
無骨ともなり得る戦車っぽい(この表現、伝わりますでしょうか…笑)角張ったフォルムに、ワインレーダーハイマーのきめが細かく、奥行きを感じる色気あるブラックカーフが乗ったその天海祐希的なマッチングに一発で惚れ込んだ私は、営業担当者様から言われた『角地さん、ウチの商品を取り扱うならウィングチップのコードバンが一番売れていてオススメですよ』というありがたい助言を頂きながらも、この惚れ込んだローファーを展開させて頂くことにしました。
いつも私の洋服屋としての出発地点は、黒のローファーから始まっています。
素晴らしい靴とともに、再出発できることの喜びを今噛み締めながら心躍る気持ちをこのブログに書きなぐってみました。
そのあたりのお話は、たっぷりHeinrich Dunkelackerの魅力を伝えたあとに時間があれば聞いてください。
※こちらの商品は3月3日(金)より発売開始いたします。