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店主 角地 俊耶

生地・縫製・パターン &クリエイション


Bechicsでは日本のデザイナーズブランドを中心に取り扱わせて頂いておりますが、私の中では同じ日本のブランドでもそれぞれの役割や個性をしっかり区別して、Bechicsというお店を構成しています。

タイトルの通り、ひとつの洋服や小物が実物として店頭に並ぶまでには生地や縫製、パターン(型紙)、そして商品そのものやブランドにまつわるクリエイションなど(その他もありますが今回は大きなところだけ)が様々なバランスで掛け合わさってできており、結果として「あのブランドって◯◯な感じだよね」とお客様に商品の印象が伝わります。

Bechicsでは基本的な商品理念として、

「High Quality & High Performance」

⇒優れた職人技術や熟練された技を感じるモノ、お客様にとって期待以上の価値を持つモノ、期待以上の結果をもたらすモノ

「Original Spirit」

⇒過去の歴史や文化を重んじながら現代における最適を実現したモノ、作り手の経験などから新たな価値を生み出したモノ、強さと美意識を感じるモノ

などを掲げておりますが、Bechicsのそれぞれのブランドには特筆すべきが点があり、また、一見シンプルなモノに見えるそれらも背景に強烈な個性を放っています。

そして、その中から今回ご紹介する「NAISSANCE - ネサーンス - 」というブランド。

このブランドは、ご存知の方も多いと思いますが大変著名なクリエイターである熊谷隆志さんがデザイナーを務める注目のブランドです。

NAISSANCE OFFICIAL ホームページ>に記載があるように、このブランドは熊谷さんがその眼で見て、触れて、感じた経験をプロダクトに反映させることをコンセプトにしており、何かに影響されることもあれば、或いは別の何かが熊谷さんのフィルターで変換されることもある、そんな無重力的な感覚で自然に生み出される品々が魅力のブランドです。

私自身は4年ほど前にあるお店で始めてNAISSANCEの商品を見たときに、誤解を恐れず率直な感想を言うなら「売れなさそうなブランドだけど、骨太で味は濃い。」そんな印象でした。

2008年のリーマンショックあたりからファッション業界に大きな変化が生まれ始め、売れる商品を追い求めるあまり個性ある商品が減り、その結果様々なブランドやお店の同質化が進んでしまう…そんな事を数年間続けていた時代に出会ったNAISSANCEは、ある意味時代を無視した、しかし強さと意志を感じるブランドとして私の頭の片隅にずっと残っていました。

そこからしばらく経って、私が自身のお店を構える為に具体的に準備を始めた2014年にNAISSANCEの事を思い出し、改めて商品を拝見しに取扱店まで伺いましたが、そこにあったNAISSANCEは当時私が感じていたマイノリティーな印象よりも、さらに熊谷さんの気分をストレートに反映されていながら、生地の選び方、デザインの落とし込み方、そして自由で遊びのあるマインドをどうすればコスプレとしてではなくお客様に自然に楽しんで頂けるか?というさじ加減まで、確実に進化を遂げていました。そして、そのさじ加減においては熊谷さんのエクスペリエンスの進化と深化、どれだけその雰囲気を真似をしようとしてもなぞることができない、独特の空気を帯びた商品にまで昇華していたのです。

それは後のBechicsとなる私のお店のイメージにピッタリで、まさに唯一無二のクリエイション「Original Spirit」を感じた瞬間でした。

NAISSANCEの今シーズンのテーマは「let today be the best day ever」

カリフォルニアテイストやネイティブアメリカン、ワークスタイルなど様々なジャンルを巡り改めてベースに据えた熊谷さんならではのTRAD(トラッド)が根底にあるコレクションです。

テイストや色合わせにルールはなく、自分の好きなものを自由に組み合わせて楽しめばいい。

テーマはそんな今シーズンの気分を表したメッセージのようです。

すでに店頭では完売品も出てきていますが、今週も面白い商品が続々入荷してきています。

NAISSANCEならではのこなし方、是非店頭でご覧ください。


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